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A子ちゃんのこと ~みんなちがって みんないい~

ろりぽっぷ 1116号 2019年12月13日

ろりぽっぷ1116号

 園庭の木々の葉もすっかり落ち、ろりぽっぷにも冬がやってきました。寒い寒いと縮こまっているのは大人だけで、子どもたちは外で遊ぶことが大好き。外気浴のおかげか、今のところ、インフルエンザの発症はみられません。
 今回の園だよりのネタも冬枯れで息づまってきました。少し前の文章をリメイクして紹介いたします。

 ろりぽっぷではいろいろな場面で、「みんなちがってみんないい」ということを子どもたちに伝える保育を行っています。ハンディキャップを持つお子さんと共に生活するということも、この考え方の一環ですが、ハンディキャップも個性のひとつととらえ、いろいろな子どもたちが共に暮らすことが当たり前のことなのでと感じてもらえたらと思っています。ハンディがあるなしではなく、お互いに笑ったりケンカしたり、対等につき合うことができるのも子どもたちの大きな長所です。

 かつて、こんな姿を目にしました。2階の図書コーナーでの出来事です。
 ハンディキャップを持つA子ちゃんが同じクラスのお友だちを抱きながら肩をトントンとたたき、何やらなぐさめています。どうやら、座りたかったランチの席がいっぱいだったため、泣いているのを察して、手を引いてソファーの所に連れていったようです。日頃、周囲に助けてもらっているA子ちゃんの思いがけないやさしさに触れ、胸が熱くなりました。
 そしてもうひとつ。
 何となく気分がのらず、図書コーナーでひとりつまらなそに絵本をめくっていた男の子。その子はいつもA子ちゃんのことを気にかけ、やさしくフォローしてくれる男の子です。その日は長いことそこにいて、何となくクラスに戻るタイミングを逸していました。ランチの時間となり、外遊びから戻ってきたA子ちゃん。図書コーナーの前を通りかかり、男の子がまだそこにいることに気づき、すっとそばにいき、手を引っぱりました。“部屋に行こうよ”というように。手を引っぱっても動かない男の子に、今度は抱きついて体ごと動かそうとします。逃げては引っぱり、逃げては抱きつき・・・。暗かった男の子の表情が次第にほころび、ついには笑顔になっていきました。A子ちゃんが男の子の背中に抱きつく格好になった時、ひょいとA子ちゃんをおんぶして、そのまま部屋に戻っていきました。
 A子ちゃんのクラスでは、A子ちゃんがいたずらをしても頭ごなしに怒ったり、注意したりするのではなく、「A子ちゃんはきっと遊びたくてこうしたんだね。」と、その時のA子ちゃんの思いを推測し、代弁するやさしさが子どもたちの中で育ってきている。A子ちゃんがいなければ、そういう気持ちが育たなかったのでは、と、担任は話しています。

 子どもたちは、短い期間の中で上記のような姿に育ったのではなく、共に暮らし、時間や経験を重ねていく中で互いを受け入れ成長していったのです。
 3歳の頃は自分のことで精一杯、4歳になり少しずつ自分と他者との違いに気づき、時には見たまま、感じたままをストレートに口にすることもあります。故に、共に暮らすことが大切なのだと思います。
 最後にハンディや病を抱えてしまうことは誰にでも起こりうることです。なりたくてなるわけではない、まして、その子や親ごさんが悪いわけでもないのです。一番生きづらい思いをしているのは、本人なのだということを、私たち自身も心にとめていきたいと思います。(園長)

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